設計および製作上の注意点

[2017年5月31日19時50分 更新]

※ 製図の際には製図の教科書だけでなく,二回生の機械製図で配布された資料も持参すること
※ デジタルファイルは鍋CADの“ページ機能”を使って1個のファイルで作成すること.
I.設計時の確認事項

複数の部品を組み合わせて機械を構成するので、部品同士の組み合わせ、取り合い、干渉など、稼働状態も含めて相互関係に注意すること。

  1. 台形ネジ両端を保持するベアリングの中心位置が正しいこを確認する。
  2. 台形ネジのセンターとクロスヘッド板の穴センターの位置・寸法を確認する。
  3. ガイド棒センターと各板物部品の穴センターとの位置・寸法を確認する。
  4. 台板とフレームの取り付け位置を確認する。(あれば)
  5. 使用材料の素材は特別な理由がない限り入手が容易な規格品の中から選定すること。
    本演習では、配布の在庫リストを参照すること。
  6. したがって加工部品の外形は、強度が不要の場合、素材寸法からの工作量(切削量)ができるだけ小さくなるように決めること。板材や丸物の長さは5mm程度、丸物の直径は1mm程度の削りしろとすること。ただし、ガイド棒についてはIV−3を参照すること。
  7. 一つのねじで,複数の部品を固定するような設計は,原則としてしないこと.
  8. ボルトを用いる箇所は、ボルトの頭と部材周囲の干渉や、工具でボルトを装着するスペースの有無を確認すること。
  9. アングル(L型鋼)は角内部にRがあり、リブにはテーパがついているので、内部を接合するときは取り合いに注意すること。
  10. 課題作品の固定台の天板は『50ミリピッチで縦横各7列ずつ(合計49個)のM6メネジを持つ』ものを用意する。4本のM6ボルトを使ってこの天板に取り付けられるよう、取り付け部の寸法を決定すること。

II.溶接加工(フレーム製作)上の注意点

  1. 型鋼材(L20×20×3)で板厚が3.0mmまたはそれ以下の鋼材の溶接は、片面でよい。
  2. 型鋼材の材料切り出しの仕上げ精度は手作業程度でよい。
  3. 型鋼材にベアリングを支持する板などを直接取り付けない。
      理由
    • ネジの頭がフレーム、台板、板物部品と干渉する。
    • 組み立ての際にセンター調整が非常に困難である。
  4. 接合部は、組み合わせしやすい形状を選ぶ方がよい。 特に、高さ方向の支持に用いる場合の端面形状は、直角加工でよい。

III.フライス加工(主に板材部品製作)上の注意点

  1. 板材は原則として厚み方向は加工しないで市販品の厚さのまま使用する。
    [理由]加工時間・工作機械・精度等から
  2. 台板と圧縮板など移動する板の、1.0mm〜1.5mm程度の隙間をとること。

IV.旋盤加工上の注意点

  1. ベアリングとハウジング、ベアリングと雄ネジ、雌ネジとハウジング(あれば)、歯車と雄ネジのはめあい部分は、すきまばめにする。 ([理由]: 組立て調整時に分解しやすいように(あくまでも実習においてのみの注意事項))
  2. 雄ネジのはめあい部分の長さは必要最低限の長さにすること。 そのためには段差をつけ、はめ合い部の長さを短くすること。
  3. ガイド棒の摺動部分は加工しない。 [理由]:十分な精度の出ている材料を購入しているため。

製図に関する注意点

一般的事項

  1. 縮尺はJISにある値を用いる。ただし,組立図については旧JISで第2系列として認められていた 1:2.5,1:3および1:4も認める.(A3用紙を使うという制約のため)
  2. 断面図 (破断面) を適宜使用して理解しやすい図を描くこと。
  3. 加工方法(加工工程)、組立方法を十分にイメージしながら作図する。
  4. 寸法記入のスペースを考慮して、用紙内での図面の配置を前もって考えておく。
  5. A4縦の2穴ファイルに綴じて提出すること。
    1. A4図面の上側、A3図面の(短手方向)左側に綴じ穴を設けること。
    2. 輪郭線の外側にとじしろを設けること(輪郭線内は図面であり,穴をあけることはできない)
      とじ穴が図面の枠内にならないように、余白を十分取ること。

[組立図を製図する際の注意事項]

  1. 組立図はA3用紙で作成すること
  2. 全長,全幅,全高,フレーム高さの寸法は必ず記入する。(軸位置寸法などは必ずしも必要ない)
  3. 可動部は始動位置を基準位置として実線で示す。(この課題では延伸開始前の状態つまりロッドエンド中心間距離が100mmの状態) そして,想像線でその最大移動状態を図示し,移動量の数値も記入すること
  4. ボルト,ナット,座金,ばね座金を書くこと(寸法は教科書の付表を参照)。材質はボルトナットはS35C,座金はSPCC。
  5. 座金(ワッシャ)は,原則として全てのねじ部に使用すること。
  6. ばね座金(スプリングワッシャ)は,必要箇所に使用すること。
  7. 座金等を含むボルトの突起部の取り合い(他部品との空間的な配置),ボルトを締めるためのスペース,取り付ける手順について,再確認すること。

[設計製作実習における部品図の基本的考え方]
 設計製作実習の授業における部品図は、部品を製作(加工)するための図面として用いる。 したがって、製図規則としては部品の対称性や様々な省略法などを活用した製図法が許されているが、本演習の部品図は、製造する際の便宜を最優先して作図する。 このため、 以下の事項(特に寸法記入法)に留意すること。

I.部品図製図の一般的注意事項

  1. A4用紙で作成すること.ただし,部分組立図を描く場合はA3用紙を用いてもよい。
  2. 一品一葉とする。
  3. 図中左上に、部品番号を○囲み数字で、組立図中の番号と一致させて示すこと。
  4. 加工製作品と規格品(市販品)との取り付け位置やはめあいについて、十分に確認する。
  5. 部品のもつ目的、用途を十分把握して寸法記入を行う。
  6. 購入する既製品は原則として製図しなくてよい.
    1. [例外1]練習のため,歯車はカタログ寸法値を用いて製図すること.
    2. [例外2]既製品に自分たちで追加工する場合(例:ハンドルへのメネジ加工,締結ねじの長さ変更,など)は加工図が必要となるため,製図すること.
  7. 歯車は既製品購入するが練習のため,カタログ寸法値を用いて製図すること.
  8. 普通幾何公差を指示すること。JIS B 0419-mK を図面の表記中または右肩の注記欄に記入する。

II.加工時の姿を正面図とすること。

  1. 板材の寸法は中心線を基準にせず、基準平面を端面にとって記入すること。
    よって不要な中心軸は描かないこと。
  2. 厚さ記号tを用いて板材の厚みを指示する場合は、図面中の見やすい位置に示すこと(t6など)。側面図が不要になる。
  3. 旋盤加工する部品は旋盤にとりつけた状態で作業者から見た方向(回転軸を水平方向として)を正面図にとること。
    1. 右側から加工するように描くこと。
    2. 軸半径方向は中心線基準で寸法を示す。
    3. 軸方向寸法は端面を基準にするが、端面の精密な仕上げが不要な部品は仕上げを行う肩部の一つを基準に選ぶこと。雄ねじはベアリング接触面を基準面とすること。

III.角部::軸の両端および大きな段差のある部分は面取りすること。

  1. 面取りした箇所は直線が見えるはずなので正しく描くこと。
  2. 特に重要でない部分の面取りは,図中に指示せず,「特記なき角部は糸面取り」と記入
  3. 軸およびベアリングハウジングにおいて,ベアリングの角があたる部分はRを指定すること。
  4. はめ合う軸の端部の加工(C,R)寸法は、ベアリングや歯車の仕様に合わせること。
    ただし、雄ネジ直径を階段状に細くする場合に、C,Rにより段差を十分取れない場合は、 はまり合う部品が歯車の場合は糸面取り、ベアリングの場合はC0.5とする。Rについては考慮せず、極力段差を設けてはめ合い部の長さを短くすること。
  5. ベアリング部、歯車部以外のはめ合い部があれば、入るところは C0.5, 奥は R0.2 の面取り加工にする。

IV.穴やネジ

  1. 加工方法の指示「キリ」の前の直径数値にはφは不要.穴やねじの指示と意味が異なるので注意.例えば直径5mmの4個のキリ穴の指示は,「4×5キリ」とする.
  2. ねじの図示は新JISにしたがうこと.また,下穴径(別途資料を参照)も数値で指示すること.不完全ねじ部も考慮して加工寸法を決めること.
  3. ネジ下穴は丸、で記入すること。キリは不可
  4. 貫通しないねじの下穴,キリ穴の先端は120度で図示する.

V.キーがある場合

  1. キーの図面は不要.ただし,寸法のみならず端面形状や種類などについて、JIS所定の記号表記法(p.133,表10.7右側注釈欄を参照)を用いて組立図部品欄および部品図部品欄に指示すること。
  2. 軸や穴にキーがある時の寸法表記は、教科書 p.133 図 10.23(a)(i)、p.203 や p.204 の図面を参考にすること。
    高さ方向は製作時を考えた寸法記入法にすること。
  3. キーのはめあい,寸法指示法が正しいことを確認すること.(幅はJs9,深さは教科書付表に従う)
  4. おねじにキー溝がある場合は、キー溝形状を部分断面図、部分平面図を用いて描くこと。

VI. 寸法線、寸法補助線の入れ方

  1. 寸法補助線の端を計測可能な箇所に明確に記すこと。
  2. 寸法は基準面から記入すること。
  3. 寸法公差は記号と数値を併記し、数値の方は手書きでよいのでかっこをつけること。(重複指示であるが製作時のわかりやすさを重視するため)
  4. 円の直径を指示する補助線は、円の中心に向ける。 ネジの場合は谷径にあてること。
  5. 雌ネジフランジの取り付け穴位置が直交しない場合は、角度表記は用いずに、半径と中心間距離を用いること。(けがき作業性)

VII. はめあい

  1. ベアリングの内輪および外輪、歯車の軸穴に接する部分には、はめ合いと表面粗さを指定すること。
  2. 製作時の便宜のため、記号に加えて上限と下限の公差数値を併記し、ひとまとめのかっこで示すこと (手書き可) (数値は“重複寸法”となるのでカッコ内に入れる。)
  3. 台形雄ネジおよび入力軸の部品図部品欄にこれらとはめ合う部品(ベアリング,歯車あるいはハンドル)の型番を指示すること。
  4. 同じ直径の部品の一部だけにはめ合いを用いることは不可。組立ができない場合があるので、はめ合い部以外の径を細くすること。

VIII. 表面粗さ

  1. 加工法も考慮して、表面粗さ記号を新JISに従い、部品番号の右横に示すこと。なお、必要以上の精度は指示しない。
  2. 表面粗さの表記は p.114 図 8.30 を参照のこと。
    共通面の肌 (共通でない面の肌)
    なお、”共通面”とは適用範囲の最も広い面のことをいう。
  3. 共通面の肌を加工をしない場合は[丸]、で示す。 共通でない面は、基準面やはあめい面となり、これらはRa3.2 程度とする。
    ただし台形ネジは、除去加工なしで Ra12.5 とする (工場出荷時に加工済みと考える)。
  4. 共通でない面の表面粗さ記号は、加工面に向けて、正しい向きに記入すること。

IX.幾何公差

  1. 練習の意味で歯車の図面にのみ幾何公差を記入すること。
  2. 製図テキストp.206の「参考図3」の例にならって円周振れ公差(軸方向)および全振れ公差を記入すること。数値などは例の通りで良い。

X. 溶接記号とアングル

  1. 溶接記号の表記法に注意(基線の下側が,矢印側からの溶接を意味する,矢は基線に対して60度)
  2. フレームのL型鋼は例えばL20×20×3-長さ 等と部品欄で指示すること.
  3. 原則として内側から溶接をすること.

XI. 表題欄と部品欄

  1. 部品図や組立図の表題欄に、班名、日付および年号 (西暦 or 和暦) も記入すること.
  2. 部品図名を組立図中の部品名称と一致させて書くこと。部品図 1 という名称は不可。
  3. 部品図の表題欄上部に部品欄を設け、その中の項目のひとつに素材寸法を書くこと。購入品がある場合は型番も書くこと。軸受はメーカー共通なので型番だけで良い。

XII.その他

  1. 提出は7月20日とする.各自の図面およびデジタルファイルと,班で2セットの図面コピーと発注リストを最終提出の提出物とする.(ファイル提出法は後日説明する)
  2. 点検後に返却を受けた不備のある図面は再提出を要求する。再提出方法などの詳細は後日説明する。

以上